新・駅前そぞろ歩記
豊四季という地名は︑明治維新後︑この地方が13地区に分けて開墾されたとき、4番目に誕生したことから「四」の字を入れて命名されたといわれます。いまは都心への通勤圏︒東武アーバンパークライン「豊四季」駅を中心に、豊かな自然に恵まれた街が広がります。特に家族そろって楽しめる公園が多いこと。スポーツの秋にぴったりの「流山市総合運動公園」をはじめ、「怪獣公園」あり…「野々下水辺公園」あり…。青空の下、心身ともに爽快に散策ができます。
公園に集い遊ぶファミリーは、大人も子どもも仲良しの友だちになる。そう実感できる楽しさは、豊四季の魅力のひとつです。東武アーバンパークライン沿線にあるだけに、ここではちょっとユニークな”パーク”と次々に出会えます。
中でも、流山市の”セントラルパーク”とも呼ばれる「流山市総合運動公園」は代表格。起伏に富む自然を活かし園内は広大で、市内最大スケールです。雑木林の遊歩道を進むと、堂々とした体育館(現在工事中)にはじまり、野球場やテニスコートなどが整備され、気軽に運動したくなるようなレジャー施設が目の前に現れます。様々な木製遊具を備えた”ミニアスレチックコース”では、子どもたちが歓声をあげ、一緒に興じるパパたちの姿も目立ちましたし、訪れた日の球場では、本格的なアナウンスが流れ、中学野球チームが熱戦中という具合。林立するトーテムポールに囲まれた”ピクニック広場”へ行ってみれば、おじいさん・おばあさんから赤ちゃんまで、3世代揃って憩う人々の笑顔も見られ、みんな本当に楽しそう。面白いのは、園内になんとSL広場があり、蒸気機関車デゴイチ(D5114)を観察できること。これは鉄道ファン注目です。
界隈は、”都心から一番近い森のまち”と謳う流山市の一角。公園の横には、かつて関東一円から信者を集めた「浄蓮寺(じょうれんじ)」が佇(たたず)むという由緒がある土地柄です。秋晴れの下、いまも残る田舎風営は心地よい。さあ、たっぷりと深呼吸してみましょう。
さらに、道を「坂川」の方向へと進めば、「野々下水辺公園」にでます。川は、利根川の水を引き江戸川へとそそぎますが、公園の起点ともなる光景を巧みに活かして造られています。水辺を彩る草木といい、流れに配した飛石や渡り板といい、きれいに澄んだせせらぎが、里山の小川を偲ばせます。夏は水遊びに大賑わいだったとか。いまは趣ある、いい風景に寛げます。
一方、長崎小学校のすぐ近くで見つけた「怪獣公園」は、地元でも人気の面白スポット。まるでジュラシック・パークさながら、恐竜たちの巨大モニュメントが5体もあるのです。思わず仰天しますが、子どもたちは目を輝かせて大喜び。カエルやタヌキの像もありましたが、いずれも怪獣ではないし?むしろ〝快獣公園”という感じ。リクツ抜きで大いに楽しんでしまいましょう。
こうした公園巡りの道すがら、ぜひ触れてみたいのは、風土に根ざした歴史の薫りです。その筆頭は、豊四季駅のそばにある。「諏訪神社」。創建は平安初期と、1200年余にも昔に遡ります。以来、広く下総一帯を司る駒木の”おすわさま”として厚い敬愛を集めました。鬱蒼(うっそう)と茂る杜(もり)は奥深く広く、ここもまた良民の公園のよう。特に必見は社殿前の狛犬の見事な躍動感。これは長崎の『平和祈念像』でも有名な彫刻家・北村西望(せいぼう)氏の作です。境内には他にも子どもなどをモチーフした様々な彫像が並び、その愛らしい表情には、おすわさまのあったかい眼差しを感じます。芸術文化の秋もまた、忘れずに満喫してください。
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