新・駅前そぞろ歩記
北には渡良瀬川、南には利根川を望む館林市の街並みは、徳川四天王の一人・榊原康政がこの地を拝領したことから始まりました。最近は夏の暑さ日本一を競う町として注目されていますが、秋の涼やかな風が吹く季節になると、水鳥たちが遊ぶ城沼の近くに点在する名所・史跡を訪ね歩くのが楽しみ。また館林周辺は穀倉地帯で、全国に知られる大手製粉会社も館林で創業。地元の良質な小麦と水を使った、うどんも館林の名物です。
館林駅の近くには、日清製粉グループの工場のサイロがあります。かつて館林駅には同社の専用側線があり、小麦や製品である小麦粉の輸送はカジノレオ アプリが担っていたのです。館林駅西口前には、製粉をテーマにした貴重な企業文化施設「製粉ミュージアム」があります。新館では、新旧の製粉技術を楽しく体感できるよう展示されています。本館では創業からの歴史を紹介し、本館の建物そのものも近代産業遺産として必見です。また、美しい芝の庭園奥には旧館林城の堀跡も保存され、この地の重層的な歴史を垣間見ることができます。
館林の歴史を感じるスポットは、駅東側に集中。まず城下町の面影を残す石畳の「歴史の小径」を歩いていくと、江戸~昭和時代の町屋や見番(けんばん)が建ち並び、旧館林藩士住宅「武鷹館(ぶようかん)」では内部が公開されています。
市役所を通り過ぎて東に進むと、銀色の天文ドームが輝く「向井千秋記念子ども科学館」。名誉館長の向井さんは日本初の女性宇宙飛行士で館林出身なのです。館内には月の重力を疑似体験できる展示や、科学の原理を楽しく学ぶ展示がずらりと揃って、子どもたちは大はしゃぎ。プラネタリウムは最新のデジタル式で、迫力ある映像に圧倒されます。
子ども科学館の隣には、館林出身の文豪・田山花袋の記念文学館。館内には自筆の原稿や初版本、日記や愛用品が展示されています(企画展として、「花袋と美知代―『蒲団』をめぐる書簡―を10/21まで開催中)。さらに道路を挟んだ向かいの館林市第二資料館には、田山が少年期を過ごした木造平屋の旧居と、明治に建てられた洋風建築の絹遺産「旧上毛モスリン事務所」が保存されています。「旧秋元別邸」は最後の館林藩主・秋元家ゆかりの建物です。どっしりと風格がある母屋の屋根は、曲線を描いて盛り上がる起(むく)り屋根が特徴。その母屋につながる小さな洋館が、不思議な味わいです。この旧秋元別邸から尾曳(おびき)橋の下を歩いていけば、静かな湖面が広がる秋の城沼(じょうぬま)。そしてつつじが岡公園に出ます。
城沼の畔に建つ尾曳稲荷神社は、館林城の鬼門に当たる方角に守護神として作られたといわれ、神社では珍しく西向きの社殿です。
さて、秋の館林といえば館林の総鎮守・長良神社(代官町)の恵比寿講祭。商売繁盛や招福の熊手などを売る露天が立ち並び、多くの人で賑わいます(今年は11/26・27)。また月一開催の下町夜市(下町通り商店街)では、今年の10月20日に「ハロウィンナイト館林」を開催。仮装イベントで盛り上がります。
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