新・駅前そぞろ歩記
伊勢崎線の太田駅は桐生線と小泉線の分岐駅でもあります。群馬県太田市は南に利根川、北に赤城山を眺める自然豊かな美しいまち。戦乱期の武将・新田義貞ゆかりの地で、戦前の中島飛行機から続く自動車メーカー「SUBARU」の城下町です。最近の話題は、プロバスケットボールBリーグのチーム・群馬クレインサンダーズが、ホームタウンを前橋市から太田市に移転してきたこと。ホームアリーナは市民体育館です。
5年前、太田駅北口に画期的な施設がオープンしました。太田市美術館・図書館です。3階建ての建物の3か所に玄関があり、さまざまな方向から気軽に入り、通り抜けることができます。内部の空間も連続的に繋がっていて、美術館と図書館も各階でギャラリーや読書コーナーなどに細分化されて繋がっています。屋上は緑化されていて、くつろげる空間。オープンテラスやカフェもあり、気軽に訪れることができるのです。
駅北口から西方の住宅街に八瀬川(やせがわ)が流れています。この川の永盛(えいせい)橋から上流約700mにわたって両岸にはおよそ150本のサクラの木が並び、3月下旬から4月上旬には薄紅色の花に彩られます。川に沿って敷き詰められた赤煉瓦の遊歩道は「さくらプロムナード」と呼ばれ、サクラを眺めながらの散策が素敵。川沿いの八瀬川公園にも、サクラの木が植えられています。
市街地近くにある太田市のシンボル・金山(かなやま)には、新田一族ゆかりの史跡金山城跡(国史跡)があり、標高239mの頂上に建つ新田神社までの登山道で城の全貌が見学できます。尾根を中心に山の地形を利用した戦国時代の実践的な山城で、石垣や土塁、堀切、物見台などの遺構が復元整備されています。
金山の麓には太田市立史跡金山城跡ガイダンス施設があります。金山城の石垣をイメージしたデザインの建物。ここでは金山城の歴史を出土遺物の展示やパネルなどで立体的に学ぶことができます。また、フィギュアなどで再現したジオラマが臨場感たっぷりで想像力を刺激します。
上州太田七福神めぐりも人気ですが、金山には毘沙門天を祀る金龍寺(きんりゅうじ)と弁財天を祀る大光院(だいこういん)があります。金龍寺は横瀬貞氏(よこぜさだうじ)が、その祖とした新田義貞を追善供養するために開基したといわれています。その後、金山城主の菩提寺となり、本堂に義貞の木像が安置されています。
地元で「呑龍(どんりゅう)さま」と親しまれている大光院は、徳川家康が始祖の新田義重を追善供養するために建立した寺院。開山した呑龍上人が、身寄りのない子どもたちを引き取り育てたことから「子育て呑龍さま」とも。本堂前にある樹齢700年といわれる「臥龍松(がりゅうまつ)」も見ものです。
東山公園は美しいアカマツ林の遊歩道が続く自然豊かなスポット。親水広場の湿地には、なんとミズバショウが群生。3月中旬から下旬、真っ白な仏炎苞(ぶつえんほう)が見られます。この時季に合わせ「水芭蕉まつり」も開催されます。
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