新・駅前そぞろ歩記

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「伊勢崎」の名は、戦国時代にこの地を支配した由良氏が城内に伊勢宮を建てたことに由来します。江戸時代には稲垣氏一万石、酒井氏二万石の城下町として栄えました。日光例幣使(れいへいし)街道が市の南部を東西に走り、文化が交錯しました。明治末には東武伊勢崎線や現在のJR両毛線が開通。この秋、伊勢崎発展の原点ともいうべき城下町の歴史に触れ、伊勢崎の未来を探る「伊勢崎まちなか文化祭」が開催されます。

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昨年から始まった「伊勢崎まちなか文化祭」。開催期間は、10月15日㈯~11月13日㈰です。「まちなか」とは市街地を流れる広瀬川と伊勢崎駅、新伊勢崎駅に囲まれたエリアで、かつての城下町から発展した市街地。東西・南北ともに約1キロと、余裕をもって散策できる範囲です。

まちなかの名所・旧跡を巡り歩きながら、伊勢崎の歴史に触れ、店々が展示する「まちなかギャラリー我が家・社の逸品」を楽しみながら、商店街の魅力を知るのが主眼。文化祭期間だけの特別メニューや季節限定の商品も充実し、店々を巡るスタンプラリーも開催されます。また、期間中には講演会や演奏会などのイベントも行われます。

伊勢崎で一番古い歴史に触れることができるのは、江戸時代の建物を活用した相川考古館です。群馬県で出土した6世紀の大型人物埴輪4体は、国指定重要文化財。茶室の觴華庵(しょうかあん)は、県指定重要文化財。まちなか文化祭の期間中は、母屋で「伊勢崎銘仙から伊勢崎絣(かすり)へ」の展示を行っています。

明治・大正・昭和初期に、全国にその名を知られた伊勢崎銘仙。いまでは身近な伝統工芸品・伊勢崎絣として技法が受け継がれています。

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平治元(1159)年創建と伝わる同聚院(どうじゅいん)の山門は、珍しい薬医門形式の武家門(四脚門)。伊勢崎藩初代藩主・稲垣氏の屋敷門だったと推定されています。また、本堂の北には樹齢約600年の大カヤ。伊勢崎藩から将軍家へ、カヤの実を献上したという記録が残されています。

伊勢崎の総鎮守・伊勢崎神社には、かつての中島飛行機の木製プロペラが拝殿に鎮座。当時は戦勝祈願だったようですが、現代では空の旅の安全祈願のシンボルになっています。

時代は明治・大正へ。黒羽根内科医院旧館は明治45(1912)年に建てられた、現存する県内最古の2階建て木造洋風医院建築。和洋折衷の造りが特徴的で、レトロ感に溢れています。現在は「いせさき明治館」として館内で伊勢崎銘仙を展示していますが、文化祭期間中は往時の館内を再現するとのこと。

明治6(1873)年創設の伊勢崎市立北小学校の前にそびえる塔は、大正5(1916)年に建造された旧時報鐘楼(きゅうじほうしょうろう)。張壁(ちょうへき)としてレンガが用いられ、ルネサンス風の窓やドーム屋根は大正ロマンを感じさせます。鉄筋コンクリート構造の建造物としては県内最古。文化祭期間中の11月6日には、鐘楼の内部が特別公開されます。

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