新・駅前そぞろ歩記

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 渡良瀬川と利根川に挟まれた館林市には多くの池沼が点在し、その多くが人里近くにある「里沼」で、人々の暮らしと深く結び付き、独特の文化が育まれてきました。そんな館林市の里沼は2019年に「日本遺産」として認定されています。
 市の中心部にある城沼は近世の館林城築城時には天然の要塞として利用されたので、日本遺産では「守りの沼」と称されています。現代の城沼ではどんな文化が咲き誇っているのか、歩いてみました。

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 館林の中心地には日本遺産の歴史的建造物が目白押しです。まずは館林駅。明治末期に開業した駅は館林を訪れる行楽客の玄関口で、1937年建築の木造駅舎は正面の丸時計とアーチ型の飾り窓が親しまれ、いまも健在。
 館林駅西口からすぐの「製粉ミュージアム」。日清製粉グループが創業の地・館林に開設した製粉をテーマとする文化拠点です。
本館は事務所として明治末期に建てられた美しい洋風建築。新館では小麦の製粉の歴史や最新技術を楽しく学ぶ展示。そして近代造園の草分け・斉藤勝雄氏設計の日本庭園。その奥には今年公開された旧館林城下町の堀跡を見ることができます。当時の館林城では守りを固めるために城下町の周囲に水を引き入れ、堀と土塁で囲っていたのです。
 館林駅から徒歩で城沼に行くなら「歴史の小径」がおすすめ。城下町の風情にあふれた町屋建物の商店や旧見番、茅葺き屋根の藩士住宅(武鷹館)など貴重な文化財が残る散策路です。やがて姿を見せたのは「土橋門」。
館林城三の丸に出入りする城門で、潜り戸から中に入っていくと館林城内。土塁や石垣が残され、かつての三の丸の雰囲気が色濃く残っています。ここから先は城沼を擁する「つつじが岡公園」へと続きます。

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 館林出身の宇宙飛行士・向井千秋さんの名を冠した「向井千秋記念子ども科学館」では、さまざまな科学体験・不思議体験ができる遊びがいっぱい。一番の人気は、群馬県最大の大型ドームで見るプラネタリウム番組です。
 「旧上毛モスリン事務所」は明治末期に建設された毛織物工場の事務所。館林の産業発展を支えた歴史的建造物です。その隣には、明治の文豪・田山花袋が幼少期を過ごした「田山花袋旧居」。建物自体は江戸後期に建てられた茅葺きの武家屋敷です。城沼そばの「旧秋元別邸」は明治末期に建てられ、館林最後の藩主・秋元家ゆかりの近代和風建築。
 つつじが岡公園といえば、ツツジ。園内には100余品種・約1万株のツツジの花が咲き誇り、「躑躅ヶ岡」の名で国指定名勝になっています。でもいまは冬。花の姿はありません。そこでおすすめなのは「つつじが岡ふれあいセンター」。満開のツツジが4D映像で楽しめる映像学習館や、芝のテラスが心地よい「シュガーヒルカフェ」があります。
 冬のつつじが岡公園のお楽しみは「イルミネーション&ライトアップ」。園内随所に約2万個のLEDライトが作り出す光の世界を堪能することができます。館林駅東口でも「光のページェント」が開催されます。

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