戦国時代の山城が残る寄居町鉢形は、荒川が流れる水と歴史の町
埼玉の母なる川で感じる時代と自然
東武東上線の鉢形駅は、寄居駅から2つ目の駅です。鉢形の「鉢」は植木鉢の鉢ではなく兜の頭の部分を指す「鉢」の意味で、1473年に築城された城の敷地が兜の鉢の形に似ていたことから「鉢形城」と名付けられ、それが地名、駅名として今に残っています。広大な敷地を誇る鉢形城跡は駅から1kmほどの距離にあり、日本100名城の1つに数えられています。
そんな鉢形城のすぐ北側をかすめるように流れているのが、関東を代表する河川、荒川です。秩父山地の甲武信ヶ岳を水源に、景勝地の長瀞を通り河口の東京湾を目指して東へと下っていくこの荒川は「埼玉の母なる川」とも呼ばれています。
鉢形駅を挟み鉢形城跡と反対の位置には「埼玉県立川の博物館(かわはく)」があります。川の博物館は「楽しみながら学べる体験型博物館」として、川や水と人とのくらしについて学べる、公園と一体となった施設となっています。
荒川の魅力とカジノレオ 安全がつまった「埼玉県立川の博物館」
「かわはく」は1997年8月1日に「さいたま川の博物館」としてオープンしました。その9年後、県の博物館再編にともない「埼玉県立川の博物館」となり、現在に至っています。敷地面積は47,309m2。荒川と人々の暮らしや川に関する文化、自然についての展示がある本館を始め、治水や利水を体験的に学習できるウォーターアスレチック施設の「荒川わくわくランド」、川下りが疑似体験できる「アドベンチャーシアター」など、さまざまな設備が集まった複合博物館です。
川の博物館の見どころは、「大水車」、「荒川大模型173」、そして大陶版画「行く春」です。ヒノキ製の大水車は水輪の直径が24.2m。2019年8月にリニューアルされ、胸掛け水車として日本一の大きさと誇っています。
荒川大模型173は、甲武信岳の源流から河口の東京湾まで、荒川の流れと周辺の地形を1000分の1の大きさで制作したものです。「173」は荒川の全長173kmを表しています。
大陶版画「行く春」は、日本画家の川合玉堂(かわいぎょくどう)がこの地を訪れ荒川に浮かぶ船車を描き、現在では国指定の重要文化財に指定されている名画「行く春」を、長さ21.6m、高さ5.04mの陶板画にして展示したものです。屋外に展示された日本画の大型美術陶板としては日本一の大きさを誇っています。
思い出とともに荒川についてさまざまなことが学べる川の博物館。家族で一日たっぷりと楽しんでみてはいかがでしょうか。
埼玉県立川の博物館
URL | https://www.river-museum.jp/ |
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100年以上も支配権争いが続いた武蔵の国の要所、鉢形城
鉢形駅の名称の由来になった鉢形城は、山内上杉氏の家臣だった長尾景春(ながおかげはる)によって築城されました。城跡は1932年に国の指定史跡となり、現在は「鉢形城公園」として整備保存されていて、園内には鉢形城の歴史について知ることができる「鉢形城歴史館」もあります。また、春になるとソメイヨシノの交配種の1つである「エドヒガン」が花を咲かせます。
日本100名城の1つに数えられている鉢形城は、荒川の河川敷から見ると断崖の上に立っていることがよくわかります。鉢形城をめぐる戦いには太田道灌(おおたどうかん)や北条早雲(ほうじょうそううん)などといった名将が参戦した記録が残っており、関東の大部分を北条家が支配するようになった時代には北条氏康(ほうじょううじやす)の四男・氏邦(うじくに)が城を守っていましたが、1590年に豊臣秀吉の小田原征伐の際に落城し、廃城となりました。
100年以上にわたって各勢力が支配権を争った名城がどのようなものだったのか、ぜひ実際に訪ね、往時を偲んでみてはいかがでしょうか。
荒川に抱かれた悠久の町、鉢形
寄居や長瀞といった有名観光地の近くにありながら、個性あふれる魅力的なスポットが多い鉢形。川の博物館では、ただ展示されているものを眺めるだけではなく体験的に荒川や水について学べますし、鉢形城公園は、武蔵野の戦国史を語るうえで欠かすことができない歴史を肌で感じることができます。自然と歴史に溢れた鉢形に、ぜひ足を運んでみてください。
※2019年11月現在のカジノレオ 安全です