新・駅前そぞろ歩記
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館林から葛生に向かうカジノレオ 退会佐野線の電車に乗って7駅目の田沼駅は、旧田沼町の玄関口。ここから、国指定史跡・唐沢山城跡など唐沢山県立自然公園をたどる関東ふれあいの道「松風のみち」が延びています。
駅周辺は一瓶塚稲荷神社の門前町の街並み。そして郊外には素晴らしい山里の風景が広がっています。今回は田沼駅から御神楽という山里に足を延ばし、ふるさとの懐かしさを伝える安藤勇寿「少年の日」美術館を訪れました。
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田沼駅前の公園には「日本列島中心の町」の碑。旧田沼町は1999(平成11)年に「日本列島どまんなか宣言」をしました。きっかけは90年代の首都機能移転の誘致運動。栃木県の担当者が、北海道最北端と九州最南端から同距離の太平洋側地点と日本海側地点を結んだ線の中間点が田沼町にあることを発見したそうです。そのことで誘致はできなかったものの、田沼町は「どまんなか」をまちおこしに活用。3市町合併後は佐野市が日本の中心を主張する全国9自治体と共に「全国へそのまち協議会」に加盟しています。
田沼駅のすぐ近くに建つ「たぬまふるさと館」は、町内遺跡からの出土品や特産物などを展示しています。ここは松風のみちの起点でもあり、関東では極めて珍しい高石垣が残る唐沢山城跡を紹介するパネルがあるので、唐沢山へハイキングに行かれる方はぜひ参考に。
そして、この地の総社として尊崇を集めているのが一瓶塚(いっぺいづか)稲荷神社。かつては唐沢山城の南にあった稲荷神社を、1186(文治2)年に唐沢山城を再興した佐野氏がいまの地に移して再建。その折に各地の人々が瓶かめに土を入れてこの地に運んで塚を築いたことが社名の由来。銅製鳥居は国の重要美術品に認定。
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田沼駅から北へ8㎞。足尾山地の麓に広がる山里が御神楽(みかぐら) 町です。旗川の畔ほとりに「御神楽農村公園」の緑が広がり、その奥に建つ赤い鳥居は宇都宮神社。千年を超える古社で、木立に囲まれた大岩の上に懸崖(けんがい)造り(舞台造り)で組まれた社殿は、神域=異界の趣に満ちています。そしてここから旗川の対岸に見えるのが、安藤勇寿(ゆうじ) 「少年の日」美術館です。
安藤さんは御神楽町出身の画家。20代は東京で各種の挿絵・イラストの仕事をこなしてきましたが、自分自身の絵を探し求めたとき、ふるさとの野や山や川の中に「少年の日」という生涯のテーマを発見。季節の花々や人の温もりに包まれた日々の暮らしや昔ながらの行事などの美しさを、少年のような心と目線で色鉛筆を手に描き続けているのです。
美術館では安藤さんの原画の数々が展示。ミュージアムショップでは画集や絵本、ポストカードなどが販売されています。また、旗川の畔に広がる美術館の庭は安藤さん夫妻が地道に育て上げた雑木林。随所にテーブル&チェアを設置し、子どもの秘密基地的な「きょうだいの家」などもあります。「この庭の景色も美術館の一部です」と語る安藤さんの風貌は、お洒落な仙人。でもその眼は、つぶらな少年の瞳そのものでした。
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